『頭が突然鋭くなる瞑想法 ― ブッダが悟りをひらいた人類最高の英知(スマナサーラ長老クラシックス) 』アルボムッレ・スマナサーラ

頭が突然鋭くなる瞑想法 ― ブッダが悟りをひらいた人類最高の英知

 

アルボムッレ・スマナサーラ (著)

 

¥640

 

脳細胞を眠らせたままにしてしまうとどうなるのか。
ひらめきやアイデアがどんどん出る知恵のある人はどのような頭の構造なのか。
眠っている脳細胞活性化させる驚異の方法とは何か。

悟りをひらいたブッダの驚くべき知恵開発法を紹介します。

※『頭が突然鋭くなる瞑想法―ブッダが悟りをひらいた人類最高の英知』は、二〇〇二年五月にスタープレスから刊行されました。電子書籍化にあたって内容に再編集を加えました。

(プロローグより)
我々にとって、幸せに生きる人間としての必須条件、もっとも望みたいものとはいったいなんでしょう。それは、「頭のいい人間として生きる」ということではないでしょうか。そのためには、人間の脳を構成している百四〇億個あると言われる脳細胞を、どんどん活性化していかなければいけません。脳細胞を眠らせたままでいると、皆さんがいちばん恐れているボケやもの忘れ、記憶力減退などの頭脳老化がどんどん早まってきてしまいます。では頭のいい人、つまりシャープな頭脳、クリーンな頭の持ち主というのはどういう人でしょう。それは、いつも頭が冴えわたり、ものごとの真実が見分けられ、的確な判断、決断が素早くできることです。
そういう頭脳を持った人の代表に釈迦牟尼仏陀(お釈迦さま)がいます。今から二千六百年ほど前に、この世でたった一人ブッダは悟りをひらきました。悟りをひらいたというのはこの世のすべての真理に精通し、どんな難問にも明快な回答ができる、悩みも迷いも不安もない、まさに最高級の明晰頭脳の持ち主になったということです。しかし、ブッダは突然悟りに至ったというわけではなく、そこには並大抵ではない苦難の道を歩かなければなりませんでした。長い艱難辛苦の修行の末、ブッダはある瞑想を思いつかれ、自ら実践し体得され、それを具体的に体系化しました。
その瞑想法の成果には、実は考案したブッダ自身がいちばん驚嘆されたのです。この瞑想法によって、ブッダは前人未到の悟りという境地に至ったのです。そして、この自ら体得され、感動の体験をされた驚異の瞑想法をこの世に遗し、未来永劫に人類に伝えていくことこそ自分に課せられた最大の役目だと理解し、世界に広めるよう説法をはじめられたのです。その瞑想法に、ブッダはヴィパッサナーという名称をつけられました。
ところで、瞑想法というと皆さんはすぐに壁に向かって黙想して集中力を養うことだろうとか、精神統一のための手段だろうと考えたり、ブッダが悟ったということだから、さぞかしとてつもなく難しい修行で、自分にはとてもできないなどと決めつけてはいませんか。それは大きな誤りです。ブッダ自身ビックリされたように、その方法からしていたってかんたん、だれにでも、またどこででもできるのです。
今はコンピュータ時代で多くの人がパソコンを操っていますが、まだパソコンをいじっていない人にとってはいまだにパソコンは難しく、厄介な機械と思われています。ところが、一度パソコンを経験した人にとっては、パソコンはなんでもない単なるおもちゃのようなものになることと同じで、このヴィパッサナー瞑想法も、やってみれば「えっ、これが暝想なの?」と不思議に思われるほど単純で、容易です。
ブッダも、まさに「目からウロコが落ちる思い」でこの瞑想法の驚くべき効果を味わったことと思います。方法さえわかれば、今日からでもだれにもできるのです。
この本では、あくまでも脳細胞を刺激し頭脳を明晰にするという目的のために紹介していますが、この瞑想法を実践しつづけていくと頭がよくなるだけではなく、これまでだれにも解明できなかった「自分」という人間のほんとうの姿が見えはじめてきますし、この世の中には真理や法則のあることが理解でき、そのことによって人生の悩み、苦しみ、怒りという苦悩を生み出す原因が次々に消えていくという不思議も体験できるのです。「習うより慣れろ」で、あなたもすぐこの瞑想を実践し、いつまでも頭脳を若々しく保ち、ストレスも不安もない痛快人生を歩んでください。
アルボムッレ・スマナサーラ

目次

プロローグなぜ瞑想でこんなに脳が活性化されるのか
悟りをひらいたブッダの驚くべき知恵開発法
Ⅰ あなたの脳細胞は眠ったままである
1 考えることの好きな人の脳は活性化しない
頭のいい人と頭の悪い人はどこが違うのか
暗記力、記憶力に秀れた人間はダメになる
ものごとはすべて経験で覚えよ
頭で理解しようとしてはいけない
難解な本の内容がどんどん理解できる不思議
「勉強ができる」は頭のいい悪いに関係ない
知識を自分のものにするための裏技がある
反論、否定こそ脳細胞刺激の決め手
まったく役に立たない今の勉強法
2 ヒラメキやアイデアに恵まれる人の頭の構造
常識人間はまず最初に脱落する
知識漬けにされた脳細胞はどうなるか
「自分の都合」を優先させる思考法
こんなに柔軟性を喪っている脳細胞
人生の目的を問い直そう
知識という道具を「知恵」で使いこなせ
すぐにヒラメキやアイデアが出てくる実験
知恵の湧かない不幸な人間の共通点
3 おもしろく、楽に生きる人ほど知恵が出る
考えれば考えるほど知恵は枯渴する
疑う心は脳細胞をここまで若返らせる
もっと毒のある人間になってみたら
マニュアルどおりに考えてはダメだ
人生の難問をスラスラ解消する知恵の出し方
頭のいい人はやはり違うというこの実例
ちょっとした別の見方でトラブルは一気に解決
頭のいい人ほど事実を正直に受け止める
Ⅱ 今、脳細胞を活性化しないととんでもない自分になる
1 このままではあなたもたちまちボケ人間
ウサギ型人間と亀型人間
ペンキを塗ったら乾くまで待てるか
すべての現象には時間の特性がある
なんでもスローにやると脳細胞が動き出す
愚かで無知な人間はなんにでも焦る
ものごとにある“順番”という法則
2 頭は使い方でどんどん奇蹟が起こる
その道の順番を知った人間は強い
なぜ子どもの脳の発達はあんなに早いのか
興味の持ち方で損をしているあなたの日常
のんびり屋は鈍感、ゆっくり屋は的確
発見がなくなったときにミスは出る
こんなに集中力のつく方法が他にありますか
3 この超先読み術で世の中を痛快に生き抜く
将来のことばかり計算するだけのおバカさん
読めなかった時代の流れが次々に見えてくる
食べたい天ぷらが食べられなかったらどうするか
私は私であって他の誰でもありません
Ⅲ 頭が鋭くなるヴィパッサナー瞑想法の実践
1 脳細胞の新陳代謝を驚くほど促す瞑想法
まず、脳波をβ波からα波に変える
ヴィパッサナー瞑想にはかんたんなルールがある
「私」とはそもそもどういう存在か
心に刺激がなくなるとシャープな頭が戻ってくる
2 妄想こそ頭を鈍くする最大の敵
三十分やるだけで集中力がつく“歩く瞑想法”
右脳・左脳をバランスよく活性化すること
トラブルや悩みのある人ほど瞑想効果がでてくる
自分の状態に気づけば、スランプは即座に消える
イライラや怒りがスーッと消える不思議体験
瞑想で“ほんとうの自分”を観察するこのおもしろさ
初めての人がアッと驚く“心の仕組みとメカニズム”
3  “気づき(サティ)”だけが妄想を消すことができる
歯の磨き方一つでも脳活性化の訓練になる
妄想に気づくと妄想は消える
いつまでも20代の頭脳を保つために